儚月抄は界隈の共通認識に対する挑戦か

である調はちょっと疲れたから文体を変えてみる。
前回のエントリ東方儚月抄が迷走しているみたいで多くの反響をいただきました。
幾つか気になる部分について取り上げながら 前回の話をもう一度まとめ直します。


予想通りとも言えますが「論理的に考えれば考えるほど破綻する」に反応する人が異常に多かったようです。
ちょっと意地悪いトラップでしたが、ファンタジー世界の創作では論理的な部分というのは
どうしても破綻する運命なのです。 今までだってスペルカードを実行すると何故弾幕がでるのかとか
突き詰めるとそういう話になってきます。
ではなぜここの部分に反応したのかと言いますと、ほかでもない読者自身がそう思っていたけど
建前上否定したくて仕方なかった。という事につきます。


「小難しく考えてるけど結局同人気分の原作まんま載せた長編漫画が漫画として(キャラ含めて)つまらなかったんだと思うの」
破綻するで反応した人の本音はおそらくこう。
その主たる要因は情報不足にあるというのが前回のエントリ。
問題は情報不足によって東方界隈の共通認識ができていない。 つまり記号化されてないと言うことですね。


現在進行形で新設定の垂れ流し状態のゲッショの二次なんざおいそれと手出しせるわけないだろ
これがとても多い。 でも私にはこれが理解できない。 
新設定の垂れ流しならそれを利用した話を書いたり、これまでの設定の矛盾があるなら
矛盾がないように無理矢理解釈する流れの二次創作すらまともにないわけでして。
しかも話の隙間を二次創作が埋めるような仕掛けと意図が見え隠れしているのに手出しできるわけないだろと言われると
何を恐れているんだを言うしかないです。 そんなことは建前でもっと別の本音があるのではないのか勘ぐりたくなります。



本当のところを言いましょう。


実際は
界隈が定めた共通認識>神主の設定


なのです。 もちろん共通認識は神主の設定がベースになっているのですが
実際のところは界隈が定めた記号化した東方キャラが主なのです。
よくキャラ崩壊という言葉が跋扈していますけど、本当にそれを言っていいのは神主だけなのです。 
神主の心の中にあるキャラこれがオリジナルであって
キャラ崩壊という言葉を使っている人は実は記号化された東方キャラを基準にしてキャラ崩壊と言っているだけなのです。
このことに無自覚な人が多い。 
だからネットで一生懸命、このキャラはそんなキャラじゃないなんて変な論争が起こるのです。
界隈の共通認識を変えて自分の都合のいい東方にしたいと言いたいだけなら
自分も創作してそういう世界観を提示すればいいじゃないですか。


私は東方儚月抄が「なかったことにされる」のではないかと危惧したのはまさにそこです。
今のままですと東方界隈の共通認識が固まるのは物語が完結してからと言っているのと同義ですから、
そんなことになったら本当に「なかったことにされる」でしょう。
元から二次創作が入り込みやすいようにストーリーテリングされているのは明白なら、そこに潜り込んで遊んだ方が面白い。
いくら新設定が流されても、酷いケースだと「二次創作のつもりで作ったのだから無視していい」という意見すら散見されます。
なんだこりゃと言うしかないです。


東方界隈が閉鎖的だと某エントリにありましたけど
自分で閉鎖的にしておいて、神主が用意した遊び場を利用しないのは果たしてどうなのかってことです。
儚月抄は二次創作を通して行われる神主相手の知的ゲームと認識すると驚くほど面白くなります。


そして儚月抄については、神主をはじめとして作家さんの頑張りに期待したいと思います。
そして物語本編には記号化するだけの情報量を増やしてほしいと願います。
ヒントがないとやっぱり何かを作るとき不安になってしまいますからね。