上海アリス列の奇跡

前回の続き
最近コミケットのマナー問題でマナーが悪くなったことを憂う記事が
増えたように思う。 確かにマナーが悪い人が増えたのは確かで
あちらこちらでマナーの悪い人の話などを聞くと、低年齢化など
色々なところに原因を求めてしまうのも致し方ないところではある。


しかし今回C76で起こった出来事は、列崩壊が発生したもものの
寧ろ混乱は最小限に食い止められており、改めて参加者のモラルの高さを
証明することになった。


スタッフが昼の12時前後スタッフは確かにいなくなったが列は崩壊しなかった
事実上無管理状態にも関わらずだ。 多少の割り込みなどは起こったのは
間違いないことなのだろうが大きな混乱もなく皆列に並び続けた。


列崩壊が起きれば下手をすれば、サークル前に殺到する可能性もあった。
それが起こらなかったのは何故かと言われれば、参加者のモラルが無法者に
勝ったということに他ならない。
スタッフは少ない人数で大混乱寸前の上海アリス列をなんとか纏め上げた。
参加者のモラルが高かったからだと言う人もいるが、彼らが一時的に
列を停止させて再整理し、次に並ぶ人を食い止めたのは英断であったと言える。
誘導ミスは確かに起こったが、そのエラーを十分帳消しにしたのは間違いない。


もし今回反省することがあるなら、それは上海アリス側が当日委託をしなかった
ことくらいではなかろうかと思う。 
事情は色々耳に入るのだが、やはり混乱を収めることを優先しないと現状では
サークルさんとの交流に十分な時間を割くことが出来なくなる可能性が高い。
それはコミケの理念に照らし合わせたときどうなのか疑問を感じるところだ。


準備会の問題も浮き彫りになったが、今回の問題はキャパオーバーということで
どんな人間が管理しても同じような事態は不可避であったと考えられる。
むしろほかのジャンルで起こった阿鼻叫喚のトラブルと比較すれば
上海アリスで起こったことは平和そのものだ。 
TwitterでZUN氏が今回のことを歴史的な出来事と評するのは当然のことだったと
思われる。


確かにマナーが悪い人は増えた。
だが、それは単にルールが分かっていないからというよりは一定割合いる
困った人と言った方が良い。 だから彼らは居なくならない。
そういう人間にマナーを教えるのは無駄だ。
無知からくる問題なら態度になって現れるものだ。
そうした無法者は頒布側も断固とした対応を取るしかない。


しかしそれらはニコニコのせいとか低年齢化のせいなんかでは断じてない。
これはどちらかというと当人の特質によるものだと考える。
もし、新規参入者が問題を引き起こしていると主張するなら今回の上海アリス列で
起こった奇跡とも呼べる出来事はどう説明がつくというのだろう。


一部ではスタッフの責任問題も出ているが、彼らは与えられたキャパシティで
十分な仕事を行って結果を出したと評価する。
むしろ彼らのノウハウを逃がしては損失となると思う。
大きな人数を捌くノウハウを今後も生かすことがコミックマーケットの運営をする上で
重要であると評価する。


重ね重ね言うが今回の出来事は参加者のモラルの高さを改めて証明する象徴的な出来事で
あり東方ファンはそのことを誇ってもいいと考える次第である。