C75

明けましておめでとう御座います 今年もよろしくお願いいたします

冬コミが終わりました。
動員数は前年よりもプラスとなり不況を吹っ飛ばす内容とあります。


一応参加しての雑感
主に西館にいたわけですので相当偏っている前提で書きますが
思った以上にやばいです
もちろん統計とかとったわけじゃないのですが、最後までいると気づくのが
中学生がなんと多いことか。
ニコニコ動画の影響なのかどうか、若年化が更に目立つようになりました。
そんな彼らですが午後2時くらいになると一気に減っております。
買い専が増えたというのが実情のようです。


そのせいでしょうか
最後までサークルブースを残している人が減っていました。
その証拠にクロネコヤマトペリカン便の搬出口が普段なら長蛇の列を作っていたのに今年は
あまりに空いていて殆ど待つことがない。
幾つかのサークルさんに尋ねたのですが頒布部数を減らしているところがちらほら見受けられました。
一方で壁サークルさんでも明暗が分かれている模様。
本当に大丈夫なのかと思ってしまうような有様です。


ZUN氏と黄昏フロンティアがないから、というわけでもなさそうです。
明らかに購買力が減ってのですね。 
若年層はお金を沢山持っているわけじゃないですし、お金を持っている層は景気で萎縮し始めている。
だから特定のサークルさんはものすごく売れてなくなるけど、他のサークルさんは酷く残ると。
ジャンルが熟成すると特定のサークルしか売れなくなり新規参入しづらくなるのはよくある話です。
少しづつですが硬化していると見て間違いないでしょう。


さて、東方アニメですがタイトルにきちんと二次創作ってついてましたけど
あれでも叩かれるというのもどうなのでしょう。
ただ、ZUN氏が何故あそこを狙い撃ちしたのかと考えると色々事情はありそうな感じです。

アマチュアリズム=嫌儲です

同人と金の話をすると必ず出てくるのが嫌儲の話。
他人が金を稼ぐのは許さないが自分が稼ぐのはOKというダブルスタンダードだったりする。


ほら、私はアマチュアリズムが好きだからと言う人がいるんですけどね。
そもそもアマチュアリズムというのは「自分のやったことに報酬を求めない」というスポーツ発祥の考え方なのですね。

マチュアリズムとは、オリンピック運動の創始者であるピエール・ド・クーベルタンが、その運動の理念として提唱した思想で、「オリンピックの出場者は、スポーツによる金銭的な報酬を受けるべきではない」とする考え方。

アマチュアリズム - Wikipedia


オリンピックのプロパガンダでこのアマチュアリズムが清く美しいなんて喧伝していたものだから
企業活動=汚い アマチュアリズム=綺麗なんてしょうもない認識が広がってしまった。
この考えのまんまでこれまでのエントリを読んで居る人があまりに多くて、
金が絡んでいるのに断固としてアマチュアだと言い張る困った人が凄く多いという現実にくらくらしてしまった。

同人の場合、これが恐ろしく拡大解釈されているわけなんですよ。
お金での報酬の有無が問題の筈なのに、お金の額ではなく利益額で見ている人が多いのが実情なんですよ。
もちろん同人の大半は儲からないのは分かるのですが、儲からない=お目こぼしをしてもらえるという
意味不明の理屈がまかり通っているのも真実なんですね。
で、指摘されると「ほっといてくれ」と言うと、なんで利益をとらないのと言えばそれは嫌儲の思想に反すると
まるで宗教家のように反論されるんです。 しかもその異常性に当人が全く気付いていない。
これは、勢いのあるジャンルかどうかとは関係ないのですよ。

で、金を取っているという社会的責任と儲けていないのに何故責任をとらなきゃいけないのという
不思議な議論が起こっているわけですよ。
すでに有我悟さんが指摘しているのですが、

 大手だろうが弱小だろうが絶対に変わらない。ただし、金銭の多寡によって責任の大きさは変動する。それだけの話。

2008-12-13

本来表現活動には責任を伴う、金額が発生すると責任の多寡が起こる。
ここまではいいのですが一定規模を超えると個人でどうこうできなくなるのですよ。
マチュアリズムの権化と言えるオリンピックだってスポンサーやら金の問題がつきまとうでしょ。
安全に物事運営するのにもはや組織とか金の力って避けがたいのですよ。


実はアマチュアリズムの思想なんてとっくに瓦解しているのですよ。
スポーツでも同人でもみんな同様に金の問題が避けがたい。
だからその事実を認めた上で色々やらないとまずいですよってこと。
確かに金になるのはその中の上澄みだけど、その上澄みが大半の市場規模を構成するのはどこの業界でも同じなんです。
だからといって見えない存在が見過ごされていいわけじゃないんですよね。
気付かないと市場原理とハイエナに押しつぶされる結末が待っているのですが
気付く頃には世代が変わっているのがなんともかんともですね。

同人の商業化だって?

なんか最近大まじめに議論されているけど、ダイソーだってやってるし
ユーティリティの世界では個人制作のソフトが一般流通に載る事なんて普通に起こっている。
なにか特別なものを扱っていると思って上手くいく上手くいかないと議論する自体がすでにナンセンス。
もうすでにあるビジネスモデルにたいそうな名前をつけて出資者を募るのは良くある話。
最近だとWeb2.0なんかそうだよね。

嫌儲って思考停止してどうするの

ちょっと砕けた感じで書いてみる

有村悠http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20081205/1228472025嫌儲について書いているよ。
こちとら責任範囲が許す限りの市場制限について書いていたのに嫌儲と一緒にしてしまってるよ。
はっきり言うと、私は同人で儲けることなんて否定する気なんてないよ。
金かかるわ上手くいくとは限らない同人で利益を確保するやりかたをしないと駄目って話だったのに
カネ掛からなくするようにって話すると飛躍して無料にするべきだって言い出す。


ただ同人を語る上で重要なことなんだけど「お目こぼし」という概念があるのさ。
お目こぼししてもらえる規模かどうかを決めるのはやっぱり金銭なわけで。
利益ではなくどれだけの売上高かでみんな判断されてしまうわけよ。
だから作り手はそんなに利益無いよって言ったって売上高でみんな判断されるのだから
色々つつかれるのは当たり前なんだよね。
責任範囲もそう。無料でも有料でも責任は伴うけど、有料になった途端に求められる
社会的な責任範囲は一気に増えることは世間の常識なんだよね。


だから儲けるのは別にかまわないと思うけど作り手は自衛しないとやばいよと。
自分に火の粉が降りかかる前にどうやって責任範囲を明確にしてこれ以上はやらないってやらないと
世間に責任範囲を広げられて二進も三進もいかなくなってしまう。
責任の範囲を狭くしたければ無料でやるしかない。そうすればお目こぼしされる率は増えるからね。
危機管理をしないと痛い目に遭うよってことで今日はおしまい。


追記:
そうこう書いていたらはてブで「世間」は勝手に作った幻影って書かれてしまったよ。
あのね、利権団体(または個人)にとってその存在が驚異になるかどうかは基本、金で判断されるの。
儲かるファクターなら無視されるし、被害が及ぶファクターだと判断されれば全力でつぶすのが現実なの。
潰れされた例としてマリグナントバリエーションのDVDが販売停止になったけど、どうしてお目こぼししてもらえなくなったのか
考えたことはないのかな。
金の存在は怖いよ。ピュアだと思っていた創作活動は思った以上にドロドロしているし、同人にピュアな幻影を求めていたら
それこそナンセンスな話だよ。
現に、「嫌」嫌儲を標榜していながら、自分は儲からないとわざわざ表明しているのは何故?
これこそ無自覚な「嫌儲」じゃないかな。
自分のやりたいように遣らせてくれと思うのなら、それこそ儲けていても儲けていなくてもそれは多様性の一部として
認めるべきじゃないのかな。
実は無自覚な嫌儲に立脚した論を書いているパラドックスhttp://tail.s68.xrea.com/blog/2006/06/post_20.htmlを読めばわかるかと。

東方二次創作は何処へ行く

博麗幻想書譜http://kourindou.exblog.jp/9178184/が更新。
二次創作のガイドラインが改訂されました。 基本的なルールはそのままのようですから普通に二次創作をするのは問題ないと思われます。
しかし今回初めて特定の二次創作に対して駄目出しがでました。 これはとても珍しい事態です。
それはすでにご存じの通りと思いますが、舞風さんのhttp://maikaze.com/ 東方アニメ化プロジェクトのことです。
この作品は4年前から準備が成されており相当手間暇が掛かっています。 
当然、権利関係もクリアーにしていた筈ですが、そこで問題となったのがプロの声優さんの起用でした。
それがあたかも公式作品であるかのように見えることが問題になったようです。


当然費用も果てしなく掛かっているでしょうから、ここで投資した金額を回収する意図が働いたのか相当の宣伝活動が行われました。
私個人の見解として宣伝自体は別に問題ではないと思います。
しかし舞風さんだけが狙い撃ちされたのは疑問としか言いようがありません。
もし今回の件で舞風さんに非があるとしたら、より巨大なメディアに宣伝活動したIOSYSさんたちが真っ先に抗議を受けたはずです。
ただ、IOSYSさんたちにしても舞風さんにしてもモラルの点では大いに問題です。
たとえば、今回のガイドラインを厳密に適用するならアマゾンで流通しているIOSYSさんの音楽CDには東方プロジェクトの
二次創作であるという明記が必要となります。
これは最初、東方アレンジCDが着メロ化したときにも噴出した問題です。
このときも着メロベンダーのドワンコがバナーを制作した際、二次創作ときちんと書いていなかったことが問題となりました。
他人の褌を穿いて商売する以上この点の社会通念上当然の行動を忘れるというのは許されることではありません。


ただ、ここで勘違いしてはいけないのはあくまで創作活動の規制ではないということです。
今回のガイドラインは暴走する危険を孕んでいます。
気に入らない二次創作や儲かりそうな二次創作を叩く手段として利用されることが予想されます。
だからといって創作をやめたりすることはありません。
その点を勘違いしてはいけないでしょう。 おそらく多くの二次創作者はこのことをきちんと理解しているものと考えています。
ただ、それなりにお金をかけて制作しているお金儲け目的のサークルさんはこれから厳密な行動をとるしかないでしょう。
景気減速によりこれから本やグッズなどが売れなくなることが予想されます。
今回首を切られたのは本やグッズを購入する主体となる年齢層の人たちです。
すでに幾つかのサークルから「薄氷を踏むような感覚」という話も伺っています。
創作活動を続けたいのなら色々と工夫が必要になると思います。


最後にここのところ東方プロジェクト関係に関する情勢が大きく変わっていると思います。
まず東方は同人を標榜していますが、すでに制作者であるZUN氏が東方を飯の種とする発言をされています。
東方は市場と化していますし、一部派生作品は出版社も絡んでいます。 今回の騒ぎにしても
出版社サイドからの指摘があったという背景があります。 
こうなると二次創作者はこれまでの同人の同人であるという一種の甘え構造から普通のアニメの二次創作をするときのような
やり方へと変わる必要があるでしょう。
今回の件は東方権利関係引き締めの第一歩になりますから、その部分を念頭に入れないと
これからこういった事態が起こると思います。
いずれにせよ、あくまで東方プロジェクトの二次がやりたいということでやっているひとが殆どでしょうから
初心を忘れずに行動していれば問題ないのではないでしょうか。

理想と現実の狭間で

久しぶりのエントリです。

色々コメントを書いてくださる方有り難うございます。
現実に起こっている事に対して、皆様がたでどう考えるのか?
書き方がまずいとか、自分たちの意見を聞入れないとかというコメントが散見されますが
ちょっと冷静になっていただいてこの話。


今の同人というのは徹底的な理論武装で成り立っています。
商行為をしていながら商業じゃないと言い張るのもその一つ。
私は例大祭でカタログを持ってない人は最初から入れないようにすれば良いと書きました。
実はこれには大きな問題がありまして、カタログを入場券扱いにすると営利目的のイベントということに
なって会場を借りる費用が上がってしまうのです。
だから入場券をカタログという言葉でオブラートでくるみ、ある程度の人数が入ったら後は解放という
なんともおかしなルールを設けているわけです。


理論武装していますから生半可なことをここで書きますと
否定している者は許さないとなんとか論破しようとするのです。
色々な意見を見ても商行為をしているという事実は揺るがないのですが商業じゃないんだ。
なぜならスペースを借りているサークルさんは商業だと「思っていないから」という
意見に終始することが多い。
書いている本人も実は商業じゃないのかなという疑問を抱きながら書いているから今ひとつ煮えきれない。
だけど主張せずにはいられない。主張しないと同人だから許されていることがすべて許されなくなるのではないか
皆様方のコメントからはそういう危機感に由来したヒステリックな書き込みが数多く見受けられます。


しかし同人は巨大化しすぎました。
お金も動くし、一つの界隈ですでにちょっとしたカーストもできあがっている。
紅楼夢を見れば分かるでしょう。 販売場所でこれだけ揉めているのは何故でしょうか?
結局お金が掛かっているからではないですか?
その中で儲かってないから商業じゃないんだと主張しても
もはや総体は個人商店と認識されていない。 それが現状ではないかということです。


しかし皆が幾ら否定しても、同人はすでにひとつの市場となっています。
同人は個人の手で作られるものではないことは皆様ご存じでしょうか。
本ができあがるためには、少なくても印刷屋さんや運送屋さんの尽力が必要です。
コピー本は? コピー機を管理している会社があるはずですよね。
ところが作り手はすべて自分で作っていると錯覚している。
本当は自分の見えないところで同人が世間に認知されて守られているのに
あたかも自分ですべてを遣っている気がしている。
その齟齬がこうした矛盾となって現れています。
もしイベントが潰れたらどうなるでしょう。 サークルの資金が厳しくなって
印刷屋は次の仕事がもらえないかも知れない。
委託している本屋は商材を得られない。 同人を紹介する雑誌もあるし、彼らを食い物にしている
ハイエナ企業も困る。
同人に依存してる会社は確実に存在する。 彼らの雇用は同人サークルさんが支えていると言っても過言ではありません。
作り手は商業主義の中に組み入れられていることを認識する必要があるのではないでしょうか?


個人で企画する即売会のシステムは巨大化故に
運営側も責任範囲も大きくなって収拾がつかなくなるでしょう。
実際問題として商売じゃないのだから商業のつもりでのお客様意識は良くないと利用者に啓蒙しておきながら
肝心のサークルは自分に良い場所を寄越せという意見が平気で出てくるのですから
もはや理想に対して現実が追いついていないことは明白です。
またいわゆる新規参入者はどんどん入ってきますから、彼らを拒否するのはカタログ問題を見ても分かるとおり
今の同人のシステムでは不可能です。
それでもどうにかして閉鎖性を保とうするとこれから次から次へと軋轢を生み出してしまいます。


この問題を解決するにはもはやイベントを統括する法人を作るしかないでしょう。
もしくは、専門会社に委ねるしかないかも知れません。
大きな問題が起こって出版社がイベントを企画することも考えられます。
実際一部の会社でそういう試みも始まっています。


私が思うに今の同人の参加者はなんだかんだ言ってもモラルが高いと思います。
もし彼らが順番も守らないような身勝手な人々だったら、イベントなんてあっさりと崩壊することでしょう。
ではそれはこれからも維持できるのか? それはとても難しいと思います。
人が増えれば一定数は問題のある人が現れます。 彼らをどう取り締まるのかを考えないといけない。
そうなったらイベント会社のノウハウが必要になるわけです。


皆さんが幾ら商業を否定してももはや言い逃れが出来ない日がくるでしょうし、
もうその段階に来ているでしょう。 
今はその境界で泳いでいた方が同人で儲けている企業が得するだけに過ぎません。
後はどうするのか逃げるのか、それとも開き直るのかそれくらいは考えた方が良いかも知れません。