アマチュアリズム=嫌儲です

同人と金の話をすると必ず出てくるのが嫌儲の話。
他人が金を稼ぐのは許さないが自分が稼ぐのはOKというダブルスタンダードだったりする。


ほら、私はアマチュアリズムが好きだからと言う人がいるんですけどね。
そもそもアマチュアリズムというのは「自分のやったことに報酬を求めない」というスポーツ発祥の考え方なのですね。

マチュアリズムとは、オリンピック運動の創始者であるピエール・ド・クーベルタンが、その運動の理念として提唱した思想で、「オリンピックの出場者は、スポーツによる金銭的な報酬を受けるべきではない」とする考え方。

アマチュアリズム - Wikipedia


オリンピックのプロパガンダでこのアマチュアリズムが清く美しいなんて喧伝していたものだから
企業活動=汚い アマチュアリズム=綺麗なんてしょうもない認識が広がってしまった。
この考えのまんまでこれまでのエントリを読んで居る人があまりに多くて、
金が絡んでいるのに断固としてアマチュアだと言い張る困った人が凄く多いという現実にくらくらしてしまった。

同人の場合、これが恐ろしく拡大解釈されているわけなんですよ。
お金での報酬の有無が問題の筈なのに、お金の額ではなく利益額で見ている人が多いのが実情なんですよ。
もちろん同人の大半は儲からないのは分かるのですが、儲からない=お目こぼしをしてもらえるという
意味不明の理屈がまかり通っているのも真実なんですね。
で、指摘されると「ほっといてくれ」と言うと、なんで利益をとらないのと言えばそれは嫌儲の思想に反すると
まるで宗教家のように反論されるんです。 しかもその異常性に当人が全く気付いていない。
これは、勢いのあるジャンルかどうかとは関係ないのですよ。

で、金を取っているという社会的責任と儲けていないのに何故責任をとらなきゃいけないのという
不思議な議論が起こっているわけですよ。
すでに有我悟さんが指摘しているのですが、

 大手だろうが弱小だろうが絶対に変わらない。ただし、金銭の多寡によって責任の大きさは変動する。それだけの話。

2008-12-13

本来表現活動には責任を伴う、金額が発生すると責任の多寡が起こる。
ここまではいいのですが一定規模を超えると個人でどうこうできなくなるのですよ。
マチュアリズムの権化と言えるオリンピックだってスポンサーやら金の問題がつきまとうでしょ。
安全に物事運営するのにもはや組織とか金の力って避けがたいのですよ。


実はアマチュアリズムの思想なんてとっくに瓦解しているのですよ。
スポーツでも同人でもみんな同様に金の問題が避けがたい。
だからその事実を認めた上で色々やらないとまずいですよってこと。
確かに金になるのはその中の上澄みだけど、その上澄みが大半の市場規模を構成するのはどこの業界でも同じなんです。
だからといって見えない存在が見過ごされていいわけじゃないんですよね。
気付かないと市場原理とハイエナに押しつぶされる結末が待っているのですが
気付く頃には世代が変わっているのがなんともかんともですね。